VBAで乱数を使って、意味不明(?)な文字列を生成する・・・コケヲチヰヱタトンシ
いろいろな処理をするコードを書いていると、テスト用の文字列データが欲しくなる時があります。
5個とか10個位なら適当にキーボードから入力して作ってもいいのですが、数百とか数万とか、それ以上となるととても手入力では無理なので、どこかから探してくるか、あるいは自分で作るかということになります。
内容はどうでもいいから、とにかくデータが欲しいような時には、乱数を使って作ってしまいましょう。
基本的な事
乱数を使用するにあたって、必要なのは、以下の2つです。
Rnd関数
Randomize ステートメント
Rnd関数の使い方は、ここでは省略します。
特定の範囲の整数を生成するには以下のような計算を行います。
Randomize ランダム整数 = Int((最大値 - 最小値 + 1) * Rnd) + 最小値
最大値、最小値のいずれも整数を指定します。
負の数を指定しても大丈夫ですが
最小値<最大値
はmustです。
数字の場合
前述の式を使って取得した値をCStr関数またはFormat関数で文字列変換します。
固定桁数にし、前に0を付けたい場合には、
? Format$(123,String$(7,"0")) 0000123 ? Right$(String$(6,"0") & CStr(123),7) 0000123
こんな感じで出来ます。
注)元データの桁数が指定桁を超えた場合(上の例では7桁)、上記の2例は結果が異なりますので、ご注意ください。
アルファベットの場合
最初の式で得られるのは整数なので、これをアルファベットに変換しなければいけません。
この変換には、Chr関数を使います。
Chr関数には、文字コードを渡しますが、アルファベットの場合、ASCIIコードを指定すればOKです。
ASCIIコードは、こちらで確認できます。
大文字、小文字それぞれの範囲は、以下のようになることがわかります。
文字 | 文字コード |
---|---|
A | &H41 |
Z | &H5A |
a | &H61 |
z | &h7A |
イミディエイトウィンドウで確認してみると
? Chr(&H41) A ? Chr(&H5A) Z ? Chr(&H61) a ? Chr(&H7A) z
となります。
以上を踏まえて、コードは以下のようになります。
Public Function creaeStringAlpha(ByVal lLength As Long, ByVal useUpperCase As Boolean) As String Dim iBeginCode As Integer Dim iEndCode As Integer Dim sResult As String Dim i As Long If useUpperCase Then iBeginCode = Asc("A") iEndCode = Asc("Z") Else iBeginCode = Asc("a") iEndCode = Asc("z") End If Randomize For i = 1 To lLength sResult = sResult & Chr(Int((iEndCode - iBeginCode + 1) * Rnd) + iBeginCode) Next i creaeStringAlpha = sResult End Function
useUpperCase に Trueを指定すれば大文字で、Falseを指定すれば小文字で生成します。
大小混在としたい場合には、開始コードをAsc("A")、終了コードをAsc("z")とした上で、一旦生成した文字(文字列ではないですよ)が、A~Z、a~zであるかを確認し、OKなら結合、駄目なら再度文字生成し直しというような処理にすればできます。(下記の英数混在を参照)
開始の文字コードと終了の文字コードは&H○○と直接書いてもいいのですが、あとから見て「なんだこれ?」となるのが(私の場合)普通なので、あえてコメント無しでもわかるような書き方をしています。
実行例(イミディエイトウィンドウ)
for i=1 to 5:? creaeStringAlpha(10,True):next YPMLCFTQXW WOIGQGMJCU ODWMWPUGGP UJOWHJNLLM FKPAEYZHKK for i=1 to 5:? creaeStringAlpha(10,false):next rkwqfoyvpr nyzkqsiren hygqzyzlyl djbrscyzxh fpenxaqfrd
英数混在の場合
先程ちょっと出てきた「対象外のコードを除外」をするとこんな感じで出来ます。
ASCIIコードは、
数字 < アルファベット大文字 < アルファベット小文字
なので、
最小文字コードは、数字の最小:Asc("0")
最大文字コードは、アルファベット小文字の最大:Asc("z")
を使用します。
Public Function creaeStringAlphaNum(ByVal lLength As Long) As String Dim iBeginCodeN As Integer Dim iEndCodeN As Integer Dim iBeginCodeAU As Integer Dim iEndCodeAU As Integer Dim iBeginCodeAL As Integer Dim iEndCodeAL As Integer Dim iCode As Integer Dim sResult As String Dim i As Long iBeginCodeN = Asc("0") iEndCodeN = Asc("9") iBeginCodeAU = Asc("A") iEndCodeAU = Asc("Z") iBeginCodeAL = Asc("a") iEndCodeAL = Asc("z") Randomize For i = 1 To lLength Do While True iCode = Int((iEndCodeAL - iBeginCodeN + 1) * Rnd) + iBeginCodeN Select Case iCode Case iBeginCodeN To iEndCodeN Exit Do Case iBeginCodeAU To iEndCodeAU Exit Do Case iBeginCodeAL To iEndCodeAL Exit Do End Select Loop sResult = sResult & Chr(iCode) Next i creaeStringAlphaNum = sResult End Function
実行例(イミディエイトウィンドウ)
for i=1 to 5:? creaeStringAlphaNum(20):next sC2TMIaUKFpJgxGLCjV8 UDnhkqy3OOG6Lk4QdwZC 5AldQ84Ug33RKwTtbIyj W1Wd1iifx2qrJ66IxNp9 Lj31yD74w0In3i8zqEn2
ひらがなの場合
基本的には、アルファベットの時と同じですが、ひらがなの場合文字コードがASCIIコードではなく、ユニコードを使用することになるのでChr関数がChrW関数に、Asc関数がAscW関数を使用することになります。
ユニコードのひらがなは、
こちらを見てください。
VBAでは、一部の文字(&H3094以降の一部)が使用できないため、それらの文字は除外する必要があります。
コードは、
Public Function creaeStringKana(ByVal lLength As Long) As String Dim iBeginCode As Integer Dim iEndCode As Integer Dim sResult As String Dim i As Long '厳密には違うが、VBAで対応できないので、対応可能範囲に限定する iBeginCode = AscW("ぁ") iEndCode = AscW("ん") Randomize For i = 1 To lLength sResult = sResult & ChrW(Int((iEndCode - iBeginCode + 1) * Rnd) + iBeginCode) Next i creaeStringKana = sResult End Function
実行例(イミディエイトウィンドウ)
for i=1 to 5:? creaeStringKana(10):next ふだわんぇよずぽへゎ ろすいらうぱこだぶよ ゎゆめぐほばぽきぴぺ わたのぞらぼづきそあ をむゑろもべぬぶぼよ
カタカナの場合
ひらがなの時と同じですね。コードの範囲が変わるだけです。
文字コードはこちらになります。
コードは、
Public Function creaeStringKatakana(ByVal lLength As Long) As String Dim iBeginCode As Integer Dim iEndCode As Integer Dim sResult As String Dim i As Long '厳密には違うが、VBAで対応できないので、対応可能範囲に限定する iBeginCode = AscW("ァ") iEndCode = AscW("ヶ") Randomize For i = 1 To lLength sResult = sResult & ChrW(Int((iEndCode - iBeginCode + 1) * Rnd) + iBeginCode) Next i creaeStringKatakana = sResult End Function
実行例(イミディエイトウィンドウ)
for i=1 to 5:? creaeStringKatakana(10):next ヶェコゼヂクズザシヤ ゥゼゼキピォンナイベ ヲヒユテビゲネモツノ ズェャヨベリコデグダ コケヲチヰヱタトンシ
"ヰヱ"なんて誰が使うんだよっ! orz
2019/4/1追記
不連続の多い文字群の場合、キーコードを使用しないで、予め使用可能な文字を配列に1文字ずつ突っ込んで全部結合してから、rndで発生させた乱数で配列のインデックスを指定してもいいのかもしれない全部結合してから、rndで発生させた乱数を使って、midで抜き出してもいいのかもしれない。
これなら、半角、全角混在でも簡単(?)に出来そう。
2019/4/2追記
昨日のアイデアを元に、簡単なパスワード生成関数を作ってみた。
Public Function createPassword(ByVal lLength As Long) As String Const USABLE_CHARS As String = "0123456789ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZabcdefghijklmnopqrstuvwxyz!#$%(){}" Dim lPos As Long Dim sPassword As String Dim i As Long Randomize For i = 1 To lLength lPos = Int(Len(USABLE_CHARS) * Rnd) + 1 sPassword = sPassword & Mid$(USABLE_CHARS, lPos, 1) Next i createPassword = sPassword End Function
実行結果
for i=1 to 15:? createPassword(10):next lG%wfn9kA7 #VkE0X!xN} pAFE6hQHhK }EhwtPoBEE nZZeeiDYC4 Ivrs96dxq% 0)NsDNg#8v f8JG3rd07o hamu)ojZXd Y%Zwlxh4VT dCgkztKKFK VU6(y!xdfB ba!2Pu6bs4 Wi4ei!Gbc) w{oG{ZZ(ov